いつでも一番星
「でもまあ、気づいてないからこそ、友達として結構心は許してるんじゃねーかなぁ。茉理以外の女子で積極的に声かけてる子って、平岡ちゃんぐらいしかいないし」
自信を喪失して俯いてしまったわたしの耳に、そんな横峰くんの言葉が届いた。まるで、わたしの心境に気づいて励ましてくれているみたいだった。
でも教えてもらったナツくんの態度は“友達”というポジションのわたしに対してのものだけに、果たして喜ぶべきなのか落ち込むべきなのかもわからない。
心を許してくれてるのなら嬉しい。それでもわたしが望んでいる形でナツくんに近づけていないのなら、どうしても微妙な気分になってしまうんだ。
「それに、平岡ちゃんの前だとよく笑ってるしな。いつも楽しそうっていうか、やわらかい感じの笑顔で平岡ちゃんのこと見てる」
自販機にもたれて腕組みをしながら、横峰くんは優しげな声でそう言う。
以前同じようなことを彼の幼馴染みから言われたことを思い出して、思わず目を丸くした。
「それ、茉理ちゃんにも言われたことある……」
「あ、そうなんだ。さすがにあいつも気づいてたか。平岡ちゃんは? ナツの笑顔に違いがあることには気づいてる?」
「どう、なんだろう……。ときどき、普段とは違うような笑顔に見えたこともあったりしたけど、それが本当に自分に向けられてるかっていうのは、ちょっと今は自信ないかも」
そう言いながら、視線がそろりそろりと下を向いていく。両手の中に包まれている缶ジュースを見ているはずなのに、脳裏には別のものが見えていた。
ナツくんが、あの子に向けていた笑顔が。