恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜

「いやぁああああああああ!!」

黒い犬だ! また、七郎が現れたのだ。
私は、助けを求めて廊下を走り玄関のドアを急いで開けた。


「課長!」
ドアの前にいた上野課長に私は体当たりするみたいにして抱きついていた。


「おっと!」


課長の背中に手を回し、ぎゅっと抱きついた。



「山田、ずいぶんと嬉しい出迎え方だな?」


ぎゅっと目を閉じて抱きついていた私は、ゆっくり目を開けてみる。

「どう見ても風呂上がり……だよな? この格好」

「え?」

言われて自分のむき出しの肩を確認した。

「うわっ!」

ーーー私! タオル一枚じゃん! そんなんで課長に抱きついてた! どうしよう!


パニックになりながら、課長から体を離す。途端に巻いていたバスタオルがお約束みたいにハラリと地面へ落ちていった。





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