桜雪~一匹狼は癌の少年に恋をする~
Story 1

1.不良の素顔

「「「来たよ…。一匹狼。」」」

その声を聴き、一斉に縮こまるクラス。

私はそれを横目で見ながら席に着く。

「うわ。今日も不機嫌」

「一匹狼って、白井病院の子なんでしょ?」

「話によると、捨て子なんだって。で、白井医院長先生が拾ったらしいよ。」

「へ~。不幸~。」

五月蝿い。何も知らないくせに。お父さんの事を勝手に言わないで!!

こんな感情も言えないまま、ただ不機嫌そうに見せて、周りの人を近づけさせないようにする。

それが、私白井雪姫の日常。
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