きみと世界が終わるまで



朝日が完全に空へ昇り、太陽が明るく照り始める頃。


「……やっぱり暑いね。まだ6時なのに、さすが夏だね」

「本当だね。ゆりあ大丈夫?熱射病とかになってない?しんどくなったら言うんだよ?」

「いや、優太、もう私は現実的には死んでいる人間なんだから。そんなに心配しなくても大丈夫なのに」

「……それでも心配だよ。生きていようと生きていまいと、僕の前にいるのはどうであれ彼女のゆりあなんだから」


僕たちふたりはこんな小言を言いながら、ある場所へ向かって足を進めている。


それは、僕たちふたりが初めてのデートで行った場所。


今から約1年前だっただろうか。


僕たちが付き合い始めてから数日が経った日曜日。


僕がきみにどこへ行きたいって聞いたら、きみは恥ずかしそうに笑いながら“ひまわり畑に行きたいな”ってそう言ったんだよね。


だから僕はあのとき必死にここら辺りで一番きれいなひまわり畑を探したんだよ。


……そしてやっと見つけた、海から徒歩30分の牧場の一角にある大きな広いひまわり畑。


「うわあ……やっぱりきれいだね。今年もすごくきれいに咲いてる」


そう、きみは今日のように付き合い始めた頃もとびきりの笑顔で喜んでくれた。


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