きみと世界が終わるまで


僕は今でも覚えてる。


今より少し焦げた肌と短い髪の毛。


白いワンピースに小麦色の麦わら帽子。


“優太くん、すごくきれいだね”


そうふわりと笑うきみの笑顔に、僕は愛しいという感情を抱いた。


あの頃はゆりあがこんなにもいじっぱりでわがままなんて知らなかったけれど、今となってみればそんなゆりあも大好きなのだから恋はやっぱり不思議だ。


「ねぇ、優太。ひまわり畑を経営してるおじちゃん、まだいないのかな?」


ゆりあが僕のシャツをクイッと引っ張った。


その反動で少し後ろに反り返ってよろめきながらも、僕は視線だけをチラチラとさ迷わせてこのひまわり畑を含めた牧場を経営しているおじさんを探す。


よくよく考えてみれば、今は早朝の6時だ。


こんなにも朝早くからいるわけないのではないか。


「ゆりあ、まだいないみたいだよ」

「え、まだいないの?でもそうだよね、まだこんなにも早いんだもんね」


ゆりあは残念そうに頬を膨らませると、僕から目をそらしてガクッと肩を落とした。


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