不良リーダーの懸命なる愛

キス

してほしい!


霧島くんといっぱいキスしたいよ!


だって、だって、やっと想いが届いたんだもん!!





霧島くんのキスの嵐が私に降り注ぐ!


首筋に顔をうめた彼は、何度も誓いの証を残していく…。



「…ぁ…………ひゃっ!」



くすぐったくて、

濡れた音が何度も聴こえてきて、

恥ずかしくて、

霧島くんに触れられたところが熱を持つ!



「咲希。」


「……っ……ン!」



彼の口づけが私の唇へと戻ってきて、

優しく、

まるで労わるような、

キスをしてくれる。



「咲希。息して?」


「……っ……………はぁ。」



うまく息継ぎができないよ…!



苦しい……けど、


霧島くんがその度に待ってくれるからかな?



なんとか………。





でも、霧島くんの勢いは止まらず!



「そのまま、口開けてて…。」


「はぁ。はぁ。…え?」



熱を帯びた彼の瞳がさらに増し、どんどん近付いてくる!




「……!!!」





何これ!!?



口の中に何か入っ……!!




「ふぁっ!ン!」


「…………。」


「っ!ん!!」


「…………。」


「待っ!……っつ!!」


「待たない。する。」


「ふぁっ……きりし……っンン!!」




舌??が入ってきてる……!!!??



こ、こんなの知らない!!!



これが “キス” なの?!!




息がっ!!!!







と、その時。








バアァァーーーン!!








「咲希ぃー!!お醤油渡すの忘れてたわあぁぁ!!!」



ゲッ!!?



マ、マママリコさん!!!




「ーーッ!!?」


霧島くんもマリコさんの突然の登場に驚きを隠せないでいる!!!



「ハイ!お醤油よぉぉーーーー!!」


と、霧島くんを退かして私にお醤油を見せてくれる!




な、なんで此処に私が居るのを知って……?!




「ッオイ!!てめぇ、クソジジイ!!!!邪魔すんじゃねえ!!!咲希から離れろっ!!!ぶっ殺すぞ!!!?」



ひいぃ!!



こ、怖い!



久しぶりの霧島くんの般若のような顔に、
さっきまでの甘い空気が一気に吹き飛んでしまった!!



「ハン!なに言ってくれちゃってんのよ!!!このエロガキがぁ!!ウチの店で好き勝手やってくれちゃってさ!!!フン!咲希は恋愛初心者なんだから!!ならば!!ウチの店では初心者に対しては、ディープはお断りなんだよッッ!!!!」



へ?




……ディープ???




「てんめぇ~~ッ!!今まで聴いてやがったな!!?はかりやがって!!!タイミング見計らって出てきやがって、このエロノリオがッッ!!!」


「ハン!!エロいのはどっちだい!?無駄にさかってさ!!フン!」


「聴いてたんならわかんダロ、このクソジジイ!!咲希も俺としたかったんだよ!!!」



わっ!!



ちょっとなにを!!




は、は、恥ずかしいってば!!!



「アンタが言うと卑猥に聞こえてくるわよ!!!いいかい?!!アンタはまだまだまだまだガキなんだから、そういうコトは制御できないことをもっと知るべきなんダヨ!!!!この、 “性欲固まりフェロモンだだ漏れクソガキリッキー” がぁ!!!」



あ!命名が長い!!




「ーーッ!!~~~っんのクソ野郎ッッ!!!!今の言葉撤回しやがれ!!ついでに!俺の咲希の目の前で、んなこと言ってんじゃねぇよ!!!」


「ハン!まったく。前も言っただろ?咲希は物じゃないの!!つまり!誰の物でもないの!!わかったかぃ?!この変態リッキーがあぁぁ!!!!」


「じゃあ言い方変えてやる!!咲希は “俺の彼女” なんダヨ!!!だからてめぇが入ってくんなっ!!」





!!!





か、彼女!!




そ、そっか。


そうなんだ……。



霧島くんの友達から彼女になったんだ!!



嬉しいなぁ……。



「……あら?急に聴力が落ちたみたい!咲希ぃ~!どうしましょう!これから耳鼻科に一緒について行ってくれない?」


「……………へ?!!あ、あの、どうしましたか?!何かありました?!!」


「クソのりお!!!咲希から離れろッ!!」




こうして、私と霧島くんの甘い時間は、店長マリコさんの手によって終わりを告げたのであった……。
< 103 / 151 >

この作品をシェア

pagetop