不良リーダーの懸命なる愛

待ち合わせ

翌日の土曜日ーー




ついに霧島くんとの勉強会当日!



待ち合わせ場所は駅前の噴水前。



午前中は霧島くんがバイトのため、会うのは午後からになった。


午後12時45分、待ち合わせの15分前。


私はすでに待ち合わせ場所にいた。


今日は久々の快晴で、ポカポカ陽気!



風も爽やかに吹いていた。



気持ちも自然と明るくなっていく…。



私の立ち位置からは時計台が見えて、あと15分経てば霧島くんがやって来る!




はぁ~。



なんだか緊張するなぁ~。



連絡先を交換したあの日以来、霧島くんとは会っていない。



だからかもしれない。



霧島くんに会うのはすごく楽しみなんだけど、それと同じくらい私は緊張してしまっている……!



だって、今日の待ち合わせの時間も場所もメールのやりとりだけだったから…。


昨日の夜、霧島くんは夜遅くまでバイトだったみたいで、時間を見つけてはメールの返事を返してくれていた。





【件名:RE:RE

返信遅くなって悪い!


本当は電話したかったけどバイト中だからメールで勘弁な



明日楽しみにしてる


咲希に早く会いたい


あんま夜更かしするなよ?


おやすみ】





これが昨日の霧島くんからの最後のメール。


淡々としたメールだけど、彼の気遣いが感じられる内容だった……。



私も電話で霧島くんと話をしたかったな。



眠る前にこのメールを何度も読み返しては、霧島くんの働いている姿を思い描いていた私…。



頑張れ!


と心の中で応援しながら、私も起きていたいという気持ちはあったものの、


バイトの疲れもあっていつの間にか夢の中へとおちてしまっていた…。




今週は図書委員の当番とバイトの両立がかなりキツかった。


そのため今日の勉強会が午後からになったことが私にとってはとても有難かった!



身体も休めたし、少し長く睡眠もとれたし!



霧島くんには感謝だな。



そこでハタと思う!



霧島くん、バイト続きで大丈夫かな?!



身体壊さなければいいけど……。


お礼のためとはいえ、無理してるんじゃないかと少し心配になってきた。



あ!




ところで、霧島くんって何のバイトしてるんだろ?


本人が来たら後で訊いてみようかな?


バイトは毎回夜遅くまでやってるのかな?



気になる……。



まだまだ私の中で霧島くんの謎は多い。



前に霧島くんが私に薬を返しに教室にいたとき、
女の子たちに突如、“クラブ” を辞める発言をしたことも気にかかっていた。



何の部活に入ってたんだろ……??



不良の霧島くんがまさか入部してたとは思ってもみなかったし!




訊いてみても……





いいのかな………!?




その時、


ふと、ヤスさんの言葉が浮かんだ。






『理人に対して何か想うことがあれば、怖がらずに本人に言ったほうがいいよ』



『大丈夫だよ、理人は。友達には熱いヤツだから』






そうだよね…。



よし!



訊いてみよっ!



そう思ってソワソワしながら待っていたけれど……。





……………ハッ!



でも今日はあくまでも “勉強会” !


しかも霧島くんが貴重な時間をわざわざ私のために作って教えてくれるんだから、


まずは勉強に集中しないと!




それが礼儀だよね!



そう自分に喝をいれてまずその場で参考書を開く。



問題を解いて選択肢に丸をつけようとすると
急に影ができて後方に気配を感じた…!
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