現代のシンデレラになる方法
まさか、まさか、先生に助けられるなんて。
なんかもう意識があやふやでよく覚えてないのが悲しいけど、でも先生に抱えられて……
あぁ、もう思い出すだけで顔が熱くなっちゃう。
次の日お礼に言ったら、前髪切ったらって、そこそこ可愛いって、
男の人に可愛いなんて言われたの初めてだった。
それを先生に言われるなんて、もう天にも昇れる気持ち。
家に帰ってすぐ、ハサミを持って鏡の前へ。
勇気を出して、震える手で前髪を切ってみた。
ハサミを横に眉上位でじょきじょき切っていく。
これでよし、と顔を上げると目の前の自分に口をあんぐり。
どんどん顔が青ざめる。
……し、失敗しちゃった。
だけどそんな落ち込んでもいられない。
やることはたくさんあるんだ。
夜のうちにお礼のケーキを焼いて、お弁当の下ごしらえをして……
……でも手作りって重いかな?
普通社会人だったら、どこかのメーカーのお菓子とか持っていった方がいいの?
でもそれじゃ、いつも帰ってくるのが9時過ぎとかだから週末まで買いにいけない……。
作りながら1人葛藤。
結局その日、寝たのは3時だった。
朝も早く起きて先生のお弁当を作る。
眠いけど、皆に迷惑かけたんだからなんのこれしき。
1人で出てくるところを狙って、外科の医局をうろちょろ。
これはお礼、お礼、深い意味なんてない。
お弁当を持つ手がガタガタ震える。
先生が現れると、まるで押し付けるようにして逃げてきた。
どうしよう変な子と思われたかも。
いや元から変な子なんだから、今更。
でも先生の前ではせめて普通の子に見えたら……。
いやいや、私なんかがそんなおこがましいこと考えちゃだめっ!