現代のシンデレラになる方法


お弁当を渡した次の日。

「すいません」


……え、えーっ!

医事科の扉を開けて入ってきたのはまさかの先生。

片手にはタッパーと、包みが。

先生の元へ急いで行く。

昼時ってのもあって、医事科に残ってる人が少なくて良かった。
だけど、視線が痛い……。


「す、すいません、わざわざ」

「お弁当ありがとう、すっげーおいしかった」

どうしよう、嬉しい。

「い、いや、め、めっそうもないですっ」

「で、あんまりおいしかったから、これお返し」

「え?」

そう言って渡されたのは綺麗に包装された有名メーカーのチョコレート。

……これ高かったんじゃ。

「す、すいません、逆に気を遣わせてしまって……っ!」

「いやいや。俺さ、生活不規則だから食事もちゃんととらないことあるんだよね。だけど、昨日のは久しぶりにいいもの食った気がしたよ」

「え、え、えそんな」

「ありがとな」

そう言って去っていく先生。

どうしようこれで終わっちゃう。

せっかく顔見知り程度にはなれたのに……っ。


だから、だめだって私なんかが。
こうやって話せるのは奇跡、それ以上は図々しいって。

そう、見ているだけで十分だったのに……。



どうしてこんなに欲深くなっちゃうの?

ここで終わりなんて嫌だ。

神様、お願い。
私に一歩踏み出す勇気を下さい。



「あ、あの!よかったら、また作ってきてもいいですか……っ?」






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