現代のシンデレラになる方法



翌朝。

俺はベッドの上で綾子さんに恨めがましく睨まれていた。

綾子さんは全身がだるいようで、未だ起き上がれずにいる。


「……信じられない。男のアドレス聞いただけで、普通あそこまでする?」

「だから、ごめんってば。でもこれで分かっただろ?」

「何が?」


……何が?

思わずイラっとしてしまう。

もう一回犯してやろうか、こら。


そんな黒い感情を抑え、微笑みながら言う。


「何がってやだなー、綾子さんてばとぼけちゃって。俺がどれだけ、綾子さんのことが好きかってことだよ?」

自分では精一杯微笑んだつもりだったのに、怯える綾子さん。

そんなに怖い顔していただろうか。



「綾子さん、また不安になったら言って。また体に分からせてあげるから」

「バカ……っ」


昨日の情事を思い出したのか、顔を染めて布団にくるまるとそっぽを向いてしまった。


しかし、これで、もう綾子さんからあの言って攻撃はなくなるだろう。

自分がやる立場だったらいいけど、あんな羞恥プレイは2度とごめんだ。



ねぇ綾子さん。

俺はいつも饒舌だけど、この手のことに関しては上手く口が回らないんだ。

気持ちをストレートに伝えられなくて分かりずらいだろうけど、綾子さんを想う気持ちは誰にも負けないから。



だから、安心してよ綾子さん。



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