現代のシンデレラになる方法



まぁ、そんな綾子さんを気遣ってやれるのは最初のうちだけなんだけど。

やがて、綾子さんになりふり構わず、自分の欲求を満たすためだけに動き始める。

俺がヒートアップしていくのが分かるのか、まだ幾分余裕のあるうちに、ふるふる首を横に振る綾子さん。

そして少し不安そうに俺の名前を呼ぶ。


「昴……っ」

……可愛いな、やっぱりこうやって俺に組み敷かれてるのが一番可愛い。

上に乗っかって恥ずかしがっているのを下から見るのも悪くないけど、あれじゃ蛇の生殺しだ。



「俺も綾子さんだけだから、綾子さんも俺しか見ないで」


そう微笑みながら言うと、ゆっくり頷いた。

男のアドレスを聞いてきただけで、まさかここまでいじめられるとは思っていなかっただろう。



……後がないなんて、綾子さんは泣くけれど。

俺にとっては有難いことこの上ない。

もう瀬戸際まできてるところを、とことん追い詰めれば手中に入れられるのだから。


その後、やっと主導権を握れた俺は、何度か根を上げる限界の綾子さんを容赦なくを責め立てた。


「す、昴……っ!も、無理だってば……っ」


余裕のない表情。

その潤んだ瞳には俺が映ってる。


俺だって余裕ないんだよ。

綾子さんがいつ他の誰かに取られるんじゃないかって、いつも気が気じゃないんだ。


ねぇ綾子さん、そういうの全部分かってる?

もう少し露骨にしないと分からない?

だったら、俺もう容赦しないけど。


「……他の男ことなんて考える余裕あげないから」

「え、何……っ?」


そう呟くように言うと、よりいっそう動きを荒々しいものへ変える。

まるで俺の気持ちをぶつけるかのように。

それに背を反らせて反応し快感に震える綾子さんの体。

途端に我慢できなくなった綾子さんの声を消すようにキスをした。


唇を離すと、快感に顔を歪ませ泣く綾子さん。

更に煽られ、酷くしてしまう。


……ねぇ、俺がどれだけ綾子さんを独占したいか、どれだけ好きかって実感してよ。


さすがに、こんなに独占欲むき出しに抱いたら分かってくれるだろう。

むしろ言葉なんかより、ずっと分かりやすいと思うんだけど。

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