君に届ける愛の歌


「PIECEと対談なんて、愛子も有名になってきたね!」


「めっちゃ緊張する〜....」


「ははっ!大丈夫大丈夫!!歌手デビューしたのは最近でも愛子には小さい時から頑張ってきた実績がついてる!どーんと構えればいいのよ」


「さおりちゃんすきぃ〜」



「しってる〜」





PIECEかあ....愛がPIECEについて知ってることなんてほんとに少し。


ボーカル、ベース、ギター2人、ドラムで形成される五人組バンドということ。

五人とも、女子なら誰でも憧れるような超美形であること。



そして性別以外の、年齢、出身地、その他プロフィール、全て非公開であること。




実際会うとどんな感じなんだろう。
彼らも愛と同じでそんなにデビューしてからは時が経ってない。

それでもわかる実力と才能。



....たのしみになってきた。





「着いたよー」



「さおりちゃんありがと!またあした!」



「はーいよー!」



さおりちゃんに手を振ってマンションの階段を駆け上る。エレベーターは苦手。狭くて暗くて怖いから。

愛は実家が地方で、昔は東京まで通ってたんだけど高校になって1人上京。今は一人暮らし!


ガチャガチャと部屋の鍵をあけて中に入る。

部屋に入ってすぐ向かったのはパソコンの前。


検索ワードには『PIECE』の文字。



だめだ....いくら調べても情報がない。



どんな....人達なんだろう。








明日のこの対談で、人生の軌道がおおきくずれることなんて考えもしなかった愛は、この日わくわくしすぎて全く寝れなかった。



< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop