帝国湯へ、いらっしゃい

「……あのね、龍ちゃん」

「ん?」



「あたし、怒られた」

「誰に?」

「タケさん」


え?


「いつ?」

「亡くなる2日前」



「……なんで、怒られた?」

「龍ちゃんとの賭けの話したら、怒られた」


………

「あたしはともかく、
龍ちゃんにそんなもん賭けさせるなって…」

「だから、龍ちゃんは何も賭けないでいい」


ちょっと待て


「今の話だと賭け自体は無くなってはないよな?」

「うん」



はあ、と息をついてベッドに寄りかかった


「俺は、そこが分からない」

「なんで賭けにこだわる?」


琴が何を知っているのかは分からないが
それはタケさんの話であって

俺たちは関係ないじゃないか


なぜ、そこを混ぜるんだよ
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