お姫様と若頭様。2nd







彼とこの先どうしてもその関係を築いていかなければならないとしたら、
はたして私は幸せになれるのだろうか?



"幸せ"


どうも私には不似合いすぎる言葉に、
思わず自嘲的な笑みが溢れる。


望んではいけないと、ずっと無意識に自制をして来たその言葉。


楽しく幸せな時間を過ごして初めて、
私には不似合いだと感じたし、いつも私がその言葉を嫌う理由がわかった。





なぜ、私は幸せになれないの?





だって私は、峯ヶ濱だから。

多くを望んではいけない。

多くを望む者は、きっと全てを逃す。



私が望むべきは峯ヶ濱の繁栄。


だから私は、
それ以上を望んではいけない。

















あの温もりを望んでは、いけない。







< 50 / 69 >

この作品をシェア

pagetop