空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~

頭がクラクラする。


足元がフワフワして、熱くて、自分の体じゃないみたい。


息が苦しくて、心臓が飛び出そうにドキドキして、このまま倒れてしまいそう。



長い長い、キスの後・・・・・・


ようやく、祐輔が唇を離してくれた。


祐輔の体温から解放された唇が、ジンジン痺れてる。



あたしは力の抜けてしまった体で、祐輔を見上げた。


荒い呼吸で、泣きそうな顔になっていたかもしれない。



祐輔も肩で呼吸をしている。


赤く染まった顔で、潤んだ目であたしを見つめていた。


男としての目で。


ふたり共、まるで駆け抜けたような息を吐き、見つめ合う。



祐輔の指が、あたしの唇に触れた。


そっと、宝物を撫でるように、指先が唇をなぞる。



「佳那、嫌だったか?」

「・・・・・・・・・・・・」

「オレにキスされて、嫌だったか?」



熱に浮かされたような、かすれた声。


ボンヤリと霞む頭の中で、あたしはその問いの答えを知った。


自分の心が、答えていた。



あたしは、気付いてしまった。


祐輔とのキスが・・・・・・


嫌じゃ、無かったことに・・・・・・。

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