空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
そして迎えた遠足当日。
この日の為に用意されていたかのように、申し分ないほどにスカッと綺麗に晴れ渡った空。
大樹はというと、当然ながらもう朝から大ハシャギ。
バスの先頭に座って大喜びしてる姿を、あたしは後ろから心配しながら見守った。
だ、大丈夫かな? あんなに騒いで。
楽しそうなのはいいけど、具合悪くならない?
ずっとハラハラしてたけど、やっぱりあたしの不安は見事に的中。
バスが高原に到着した頃には、体調を崩した大樹の顔はすっかり青くなってしまっていた。
「大樹、大丈夫!?」
「うん・・・・・・。大丈夫・・・・・・」
「大樹、無理すんな。先生呼ぶか?」
あたしと祐輔は大慌てで、大樹を木の幹にもたれかけさせて座らせる。
心配するあたしたちに、大樹は無理に笑顔をつくってみせた。
「大丈夫だよ、佳那、祐輔。ボクすごく元気だし、すごく楽しいよ」
嘘ばっかり。こんなに顔色悪いのに。
あたしと祐輔にまで気をつかわなくていいんだからね?
ほんとに大樹って、人に気をつかってばかりなんだから。