空色涙 ~キミと、永遠と、桜を想う~
でも。
大樹とあたしが付き合っていることは、祐輔以外の誰にも秘密だった。
もちろん、親にも内緒。
知ったら大樹の両親が心配するかもしれないし。
だから、逢うのはいつも祐輔の部屋だった。
同じマンションの祐輔の家だけが、大樹が唯一、自由に外出できる場所だから。
「おい大樹、佳那、オレん家に遊びに来いよ」
「いいの? この前も祐輔の部屋におじゃましたばかりなのに」
「いいから来いって。オレひとりでゲームしてもつまんねえじゃん」
「ごめん。いつもありがとう祐輔」
「だから、オレがゲームしたいんだって」
祐輔はいつもこんな風に、あたしと大樹を招待してくれた。
部屋ではいつも三人一緒だったから、大樹とふたりきりになれることなんてほとんどない。
こんなんじゃ、付き合っているっていえないかもしれないけど。
でもあたしは、毎日がとても楽しくて幸せだった。
祐輔の親切が嬉しかったし。
大樹と、思いが通じ合っている。
それがあたしにとっては何よりも重要だったから、あたしの心は満たされていた。
ただひとつ。
大樹の心臓の病気。
それだけが、暗い影を落としていたけれど・・・・・・。