金木犀のアリア

3話/考察

「ねぇ、副専攻の方は どちらの課題を弾くの?」



「君は?」



 「フォーレの『夢のあとに』」



この曲は、あまりにも有名だが、歌曲だとはあまり知られていない。



歌詞はイタリアのトスカーナ地方の詩を、フランスの詩人ビュッシーヌがフランス語に翻訳したもので、夢の中で出会った女性と、夢から覚めた主人公の哀しい情景が描かれている。



ヴァイオリンやチェロ用に編曲されたものが有名で、それぞれ名曲と言われる。




特に途中から出てくる高音域の部分は、ト音記号で示されていて、またタイと3連符の形が頻繁に出てくるため、リズムの取り方が難しい曲だ。



また解釈の仕方により、哀愁を強調するのか、希望を託し愛を表現するのかが、大きく分かれる上級レベルの曲だ。




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