ベランダから見える星
「私も信じてもらえないのかな…」


話し終えた千香はすっかり泣き止み,真っ直ぐ前を見て呟いた。


私は流れ落ちる涙を拭いながら首をふる。


千香なら信じてもらえる。


いやもう信じてると思う。


でもその過去のせいで実はあと一歩が踏み出せないんだと思う。



「今だに幸って子は実が好きみたい。
 この間の電話かけてきたし…」


そうかもしれないけど実は絶対に千香が好き。


なんて本人には言えないけど。


たとえ両想いだとしても私から聞くより本人から聞きたいはずだから。


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