躊躇いのキス
 
それまでは、いつも一緒にいられたのに
部活動でサッカーをやっていた雅兄は帰ってくるのも遅くて、なかなか一緒にいることが出来なくなった。


それでも休みの日は雅兄の家に行ったり、
雅兄があたしの家に遊びに来てくれたりして、
恋心は冷めるどころか、どんどん積もっていった。



そんなあたしも6年生になり、
雅兄はもう高校生になっていて、学ランではなくブレザーを着るようになった頃……。


《あ、雅兄っ……》


いつもなら返ってくるのは夕方過ぎなのに、テスト期間だとかで今週は帰るのが早いらしい。
そろそろ終わる頃かな、と思ったとき
学校の帰り道で雅兄の姿を見つけた。

 
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