躊躇いのキス
 
「おはよう。
 すっかり、自分で起きる癖はついたみたいなのね」

「まあね。
 ずっとそうだったし」



実家にいたころは、それこそお母さんに毎日のように起こされていた。

だけど雄介と一緒に住むようになってから、雄介はあたし以上に寝起きが悪くて、
必然的にあたしがしっかりと朝は起きないといけなくなっていたのだ。
 

「トーストでいいの?」
「うん」


それだけ言うと、お母さんはパンを焼いてくれて、熱々のコーヒーを入れてくれる。


ああ、朝ごはんとか、
勝手に出てくるなんて幸せすぎる……。

 
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