レモンキャンディ





シトラスの香りがする。



どうしても会いたくて、
どうしても伝えたいことがあって。



「なんでここにいるの?」



目の前に現れたあなたはとても冷たい目と言葉で、
私を追い詰める。



「違うの、なんでもないの。ただお別れをいいに来たの。もう2度とあなたの前には現れない。

さようなら。」



違う、こんなことがいいたいんじゃない。



気がついたら自分の部屋で泣いていた。


本当に辛くて、悲しい。


気がついたら自分の部屋の出窓を開けていた。
ここは2階。
もっと高いところへ。


屋根の上に登ると空は真っ暗だったけど星は見えなかった。



私はもう終わりにする。




屋根の上から真っ逆さまに私は飛び降りた。





私は死んだ。









< 87 / 115 >

この作品をシェア

pagetop