もっと君と   愛し合えたら
「ぷっはぁー!すぅーはぁー。」

私は海面で思い切り息を吸った。

二人で漂っていた。

「野瀬さん!キスするなんて危ないじゃない!」

と叫ぶ私を抱きしめて彼はまたキスをした。

しょっぱかった。

でもイヤじゃなかった。

彼の気持ちが嬉しかった。

だから私も彼に応えた。

波に揺られながらこのままずっとキスしていたかった。

「海の中と、ここでするのとどっちが感じた?」

「両方感じたわ。きっとベッドの上でも感じると思うの。」

「僕はベッドの上でなんて言ってないよ。」

「意地悪ね。私を先に誘ったのはあなたなのに。」

「今夜はワインで乾杯できるかもしれない、だろ?」

ゆらゆらと波に揺られながら二人で微笑み合った。

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