もっと君と   愛し合えたら
「少し酔ったかな、顔赤くない?」

「見てあげよう、詳しく。」

彼は優しく私をベッドに押し倒してそう言った。

私の首に吸い付いてきた。

「んもぅ、くすぐったいってば、待って。」

彼は前ぶれもなく、いきなり後ろから攻めてきた。

私がちょっとの酔いで抱かれると

もの凄く感じるのをちゃんとわかってやっていた。

最初から私に飲ませて抱くつもりでいたこともわかっていた。

「夕美、今度夜の暗い海の中でやってみようか?」

「夜の海なんて怖い。」

「本当はやってみたいだろ?」

「暗くて震えちゃう。」

私は海に潜っては食べて寝て、潜っては食べて寝て

この夏休みの数日を彼とダイビングに来て

昼も夜も天国を味わっていた。

海の中はパラダイスと言ってもよかった。

夜はベッドの中で彼と登りつめた。

彼は私を何度も抱いて離さなかった。

「野瀬さん、ダイビングって一年中できるの?」

「そうだよ。でも冬の海は厳しいかも。」

「冷えた身体を優しく温めてくれるんでしょ?」

「それいいね。君が冷えたら僕が温めてあげる、って言うより沸騰させてあげるよ。ど、そういうの?」

「もぅ、そんなこと言って。」

私は彼の腕の中でウトウトした。

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