もっと君と   愛し合えたら
「夕美、遅かったじゃないか?僕も行こうと思っていたところだよ。」

「ごめんなさい。海の風が気持ち良かったからちょっと遅くなってしまって。」

声が震えた。

私は自分の動揺を隠せなかった。

「どうかした?」

野瀬さんのひと言ひと言が優しく胸に響いた。

涙が出そうになった。

「大丈夫。目にゴミが入ったみたい、洗ってくる。」

「待って!こっちを向いて、夕美。」

勘のいい野瀬さんには隠し事はできないと思った。

「どうして泣いてる?何が悲しい?」

「・・・・・」

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