お姫様はふたり
私はガサゴソと鞄の中をあさった。


「佐田はさー、美音の方が教室近いじゃん。何でわざわざここまで来てるのー?」


菜乃子がニヤニヤしながら言う。


亮平は少し菜乃子を睨んだ。


「だって美音に借りるとおごれとかうるさいし。真琴は何も言ってこないからさ」


美音…。


我が妹ながら凄いわ。


「えー。何それー」


菜乃子が笑いながら言う。


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