AfterStory~彼女と彼の話~

├その後のファッション部side水瀬幸雄

side水瀬幸雄

翌日、気分良く四つ葉に出勤し、仕事の準備をしていると、編集部のドアが開いてスポーツ部の宝条さんがファッション部の副編集長の所に来た。

「あの…、荒木編集長からプロフィール帳を預かりまして、持ってきました」

宝条さんがおずおずとプロフィール帳を副編集長に渡すと、ファッション部の女性社員達がガタガタと立ち上がり、宝条さんと副編集長を囲うようになった。

「え、あの…」
「何が書いてある?」
「血液型は?」
「好きな食べ物は?」

女性社員達の気迫に宝条さんが引いており、俺もこの気迫にたじろくけど、なんとかせねば。

「宝条さんが困っているし、席に戻ろう。仕事が進まないよ」
「は〜い」
「答え方が荒木編集長らしいというか、直筆の文字が綺麗だよね」
「うん!これはファッション部の家宝にしようよ」
「しよう!しよう!副編集長はラミネート加工して下さいね」
「あはは…」

女性社員達はずっと盛り上がっており、宝条さんも苦笑しながらスポーツ部に戻っていった。

俺は副編集長が持っている仁が書いたプロフィール帳に視線を落とし、そこに書かれてある漢字二文字の“秘密”にフッと笑う。

しかも名前以外の項目に“秘密”とあって、丁寧に黒ペンで書かれていた。

「仁らしい答え方だね」
「こんな風に書かれると思わなかったですが、ミステリアスな荒木編集長らしいです」

副編集長も笑い、プロフィール帳をラミネート加工にし、この日以降、仁が書いたプロフィール帳はファッション部の女性社員達の家宝となったのだった。



【プロフィール帳に“恋人としたいこと”を書いてみた】
Fin
2026/05/05

ここまでお読みいただいて、ありがとうございます!
羽音
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