星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】

8.親友の決意-百花-


新生活を初めて、最初の頃は慣れない風習に戸惑い続けたものの
何とか、託実に支えられて乗り切ることが出来た。


そんな一連の儀式が終わり始めた頃、
託実のお母さんのお姉さんになる、綾音姫龍さんが私のもとを訪ねてきた。


託実がツアー同行で出かけている中、
緊張でのぞんだ姫龍さんとの時間。


それは初めて踏み入れることが出来た、姫龍さんの工房への招待だった。

結婚式に向けて、着々と準備が進められている。

私の婚礼衣装となる着物を、姫龍さんからのプレゼントとして送られる手はずらしく
その下準備の為の工房への招待。

どういった着物が着てみたいか。

アンケート形式で順番に質問に答えて、色移りを確認していく。

それと同時に、ウェディングドレスの話題へと話はうつっていく。
その話題が出た時、私は自分の心の中にある一つの想いを告げた。


趣味とはいえ、デザインをして服を作ることが大好きな私は
自分のウェディングドレスも、自分でデザインしてみたいと思ってた。


姫龍さんにそれを告げるとドレスに関しては、
私のデザインを参考に仕上げてくれると言う形で話が落ち着いた。



工房の帰り、久しぶりに喜多川の家に立ち寄ると
お祖父ちゃんが嬉しそうにもてなしてくれる。


無断欠勤をして以来、何となく疎遠になってた画廊だけど
再び、この場所を訪れられるようになったのは、
お祖父ちゃんがフォローをしてくれていたから。

社会人としての自覚が乏しかったことを、スタッフの皆にちゃんと菓子折り持参で謝罪して
これからは正社員ではなく、時折時間出来た時に手伝いに来たいと改めてお願いした。

画廊のスタッフの皆も、託実との結婚が決まったことをとても喜んでくれて
そんな優しい空間の中で、私はドレスのデザインを考えたり、キャンパスに向かって
楽しい時間を過ごし続けた。


私が結納を終えて一ヶ月。
季節は夏の日差しが強い七月中旬に差し掛かろうとしていた。

またお姉ちゃんの命日が近づいてくる。

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