星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】

18.親友の選んだ未来 -百花-



雪貴くんが留学から戻ってきても、
唯香は、隣のマンションで同棲生活を始めることはなかった。


残り約半年。



その時間が終わるまでは、恋人同士だけれど『教師と生徒』。

そんな言葉に、
唯香は支配されてるみたいだった。



だからといって、唯香が不安定なわけでもなく
私は安心して二人を見ていられる。



雪貴くんが帰って来て、Ansyalとして大きく変わったのは
今までは自主練習だった、夜のアメジスト側のマンションの地下にあるスタジオでの練習が
必須になったこと。


託実と一緒に、毎日夜には地下のスタジオへと顔を出す。




そこには祈くんや、雪貴君たち学生陣が最初に集まって先に練習を始めてる。
学校の仕事を速攻で終わらせた唯香も合流して、すでに賑やかな時間。

その後くらいにいつも私と託実も満月を連れて合流。

託実が準備を進めるのを、見守りながらAnsyalのサウンドに身を委ねる。

21時を少し回って、ようやく仕事を終えて合流してくるのはスーツ姿の十夜さんと、憲さん。

二人ともスタジオに到着した途端、羽織っていたジャケットをソファーへと脱ぎ捨てて
ネクタイを緩め、シャツのボタンを少し外すとそのまま練習へと突入していく。




日付が変わるまでの間、何度も繰り返されていく練習。


編曲の時には、唯香もちゃっかりと加わっていて
私的には少し置いてけぼりの気分。


だけど私も、この空気の中に身を委ねて
一人、ペンを握って満月をあやしながら、紙と向き合っていく。


託実に頼んでお姉ちゃんの曲に作詞をつけたいと言ったから。

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