星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】




「一気に静かになりましたねー。
 皆さま、お待ちかねの抽選結果が先ほど届いたようです。

 Ansyalのメンバーもすでに、エスコートの準備に入っています。

 それでは、結果を発表致します」
 


静まり返った空気の中、ゆっくりと発表されていく景品たち。



各メンバーそれぞれからのプレゼント。


・十夜のギターピックにチェーンを落としたもの。
・祈が愛用しているのとお揃いのマグカップ
・何回か前のツアーの時のイベントグッズに、メンバー全員のサインがされているもの。
・未発表・未発売、発売予定なしのCDにメンバーが一人サインとメッセージを書いているもの。


メンバープレゼントの抽選結果が次々と発表される。



私が集めた番号の中で、
1枚だけが託実のサイン入り非売品CDに当選。

まぁ、それでも十分にレアだけど、やっぱり諦めたくないじゃん。
100万ドルの夜景。
 


「続いて今回の旅行の最後のプレゼント。
 ヴィクトリアンピーク・ 夜景2ショット権の当選者を発表します。

 ・祈パートナー・近藤澄香さん(1-16)
 ・託実パートナー・静宮弘子さん(1-1)……」


祈りは届かず託実のパートナーとして選ばれなかった私。

がっくり肩を落として落胆するものの今も発表は続く。 

私の隣、今も祈り続ける唯香。


「……

 ・憲パートナー・二階堂薫子さん(1-99)

 ・十夜パートナー・鮫島静香さん(1-55)

 ・Takaパートナー・緋崎唯香さん(1-51)

 以上の方はこちらへお集まりください」




唯香?


今、名前呼ばれたよ。

ふと、隣を見るとフリーズしてる唯香が。


「はいっ。
 唯香、此処に居ます」



代わりに返事をしつつ、
唯香の頬を抓って現実にを引き戻す。



「痛いって」

「はいはい。
 幸せな唯香には、これくら当然でしょ。
 私、託実のサイン入りの新曲だったってのに」

「それも十分、レアじゃん」

「アンタに言われたくないって。
  今日は、Takaとお幸せに」


とりあえず、唯香をスタッフのところまで連れて行って
私はホテルに帰るためのバスへと移動する。

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