星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】




思わずメモ帳を凝視する。




託実が私に逢いたいって言ってくれてる……。

託実が私に、
託実の携帯番号を教えてくれた。




「百花、亀城君と言ったかね。
 いい青年だね。

 彼も何処か寂しそうな瞳を宿す人だね。
 百花もそうだ。

 理佳が旅立ってから、彼に会うまであまり笑えなくなってた。
 彼は、百花の部屋に飾ってあるポスターの青年だね。

 寂しい者同士が惹かれあったのかもしれない。
 
 だけど……お祖父ちゃんは、
 もう一度心から笑う百花の笑顔が見たいとそう思っているよ。

 百花の心のまま素直に行動しなさい」



立ち尽くす私にお祖父ちゃんの優しい声が響いた。

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