世界一遠距離恋愛
「…で、絵里子先輩は渡すんですか?」
今日自主トレに参加しているのはあたしを入れて五人しかいない。今話をしているのはその中の一人、後輩の西岡鈴だ。
「ちょっ、リンリン!そういう話は大きな声でしないのっ!」
「だって…気になるんですもん。後そのあだ名やめてください。恥ずかしいです。」
「ええっ!?リンリンってすごく可愛いじゃん!あたしお気に入り!」
「…そう呼んでるの、絵里子先輩だけですよ。」
ありゃ…ため息つかれちゃった…。
リンリンは後輩とは思えない程大人びていて、いつでも冷静な対応ができる。部活では一年生部長を務めており、恐らく最高学年になれば部長になるだろう。そのくらい飛び抜けてしっかりしている。
…そしてリンリンはなぜだかあたしが秋風くんの事を好きになった事にすぐに気が付いた。特に話をした訳でもないのになんで知ってるんだろう…あたしってそんなに単純な生き物なのかな?もしやリンリン、人の心を全部見透かしてしまうエスパーみたいな能力持ってるんじゃ…!
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