世界一遠距離恋愛
「それでどうするんですか?秋風先輩に何かあげたりするんですか?」
…そして今あたし達の話題は時のトレンド、バレンタインデーについてだ。リンリンはあたしが秋風くんに何かを渡すのかどうかを聞いている。
「んー…何も渡さないかなっ。」
「なっ、何でですか!?折角お互いに気があるのに…そんなの勿体無いですよ!」
いつも落ち着いた口調で話すリンリンが急に強めの口調で話してきたから思わず聞き入ってしまった。
「でっ…でもさ、秋風くんっていつも周りに女の子がわんさかいるんだよ?あたし、なかなかその中に入って行く勇気はないよ…」
「そこを何とか頑張ってくださいよ!ここで頑張ったらきっと二人に進展があると私思うんです!」
…ここまで真剣に話をされるとなんだか使命感すら感じる。何か作って、秋風くんに渡さなきゃいけないという。
「んー…でもあたし、お料理出来ないからさ。やっぱり何もあげないことにする。…ちょっと走って来るね。」
「そうですか…まぁ無理にとは言えませんもんね。迷子には気を付けてください!」
…あたしが学校で迷子になるとでも思っているのだろうか。流石にそろそろ迷子にならなくて済む様になってきたよ?…入学してから半年はきつかったけど。
< 23 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop