無理して笑うな
〈唯said〉
小さい少女が薄暗い部屋でランドセルを抱えたまま泣いてる
あたしはただそれを見ていた
泣かないで
お願い、泣かないで…
あれはきっと、あの日のあたしだ
引越しのことは1番始めに悠斗に知ってもらいたかった
行くなって言ってくれるのを期待してたのかもしれない
今から思うと悠斗のことが好きだったんだと思う
でも悠斗はあたしをブスだって言った
『誰がこんなブスと帰るか!』
泣かないで
お願いだから泣かないで
そう思って眺めていると、小さいあたしは涙で濡れた目をこすってキッと外を見た。
『…見返してやる。
今にブスなんて言ったこと後悔させてやるんだから。』