無理して笑うな

俺はピンときた



椿は流星のことが好きなんだな。



俺は心の中で「やめとけ」と呟いた



流星が好きなのは水野 亜依ただ1人だ



昨日の流星の態度を見ていれば分かる



椿が傷つくだけだ



しかしそんなこと言えるはずもなく、俺はドリンクを飲み干した。




家に帰ると昨日母さんが座っていた場所に瑞希が座ってテレビを見ていた。



それは昨日とは違う歌番組だが、最後のしめにBlueSkyが出演する予定のようだった。




テレビの中のアナウンサーが唯達に話しかける




『今日がテスト最終日だったんですよね。お疲れ様でした。』




『ありがとうございます。』




唯達5人はずっと笑顔だ。




『今回は恋の歌ですが、みなさんは初恋…なんてことはありますか?』




アナウンサーも笑顔で聞く。



俺は思わず飲みかけていたお茶を吹き出しそうになった。



それを見た瑞希は声を上げて笑った。




「お兄ちゃんの初恋は唯ちゃんだもんね〜?」




「うるせぇ。」




俺は内心イライラしながらテレビを見ていた。



なんてこと聞くんだ




『そうですね〜、僕は小学生の頃の同級生ですかね。卒業してからまったく会っていませんが。』




中野 斗真が答えるとメンバーは次々に答えて行く。



唯はそんな答えを笑顔のまま頷いて聞いている。




『嵯峨山さんはいかがですか?』




…俺の中で緊張が走る




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