無理して笑うな
〈唯said〉
「…なんでそうなる訳?」
あたしは目の前で手を合わす亜依に盛大なため息をついて見せた。
「だってだって!唯だって会いたいでしょ?悠斗君!」
「会いたくな〜い!だからメールで断ったんでしょーが」
亜依が寂しそうに眉を下げてもあたしの気持ちは変わらない。
「ほっといて!ね?」
「ダメダメ絶対ダメ!だって蓮に 絶対連れてくる って約束しちゃった」
亜依はてへっと可愛いく言うとあたしを更衣室から連れ出した。
「ちょっと亜依!まだ衣装しまってないのに!」
「いーのいーの!後でやっとくから唯はさっさと仲直りしときなさ〜い!」
亜依は楽しそに笑っている。
「…他人事だと思って。」
「他人事と思ってなかったらここまで積極的になれるわけないじゃない。」
亜依は当たり前のように言うと楽屋の前でパッと手を離した。
「じゃ!さっさと仲直りして、報告よろしくね。」
亜依はまた笑うと去って言った。
亜依の態度からして悠斗が楽屋にいるのは分かる。
…だからってどうしろと?
メールで断ってしまった手前話にくいし、
…悠斗には彼女がいるわけだし、あたしが出る幕じゃない。
そう考えるとまた胸の奥がチクリと痛んだ
「あたし何考えてるんだろ。」
ため息をついたとき、突然楽屋の扉が開いた。
驚いて扉の方を見ると悠斗が立っていた。
悠斗も驚いたようにこっちを見ている。