愛された先パイ







「あの・・・」

「ん?」

「職員室って、どこですか?」

「職員室?
もしかして、転入生?」

「はい。
今日来たばかりで・・・」

「そうなんだ。
じゃあ案内するよ。
迷う人、多いからさ」

「わ、わざわざありがとうございます!」



顔を赤らめながらも笑った彼女は、まるでヒヨコのように俺に着いてきた。



「あ、俺は2年の成島凌空」

「私は1年のアマツカイヒヨコです」

「アマツカイヒヨコ?」



ヒヨコみたいだなぁって思ったら、まさか名前ヒヨコだとは。



「アマツカイなんて、変わった名字だね。
漢字、どう書くの?」

「・・・天の川の天に、道具などを使うの使うです」

「え?
それって、天使って書くよね?」

「はい。
天使って書いて、アマツカイと読みます」

「じゃあ天使(てんし)ヒヨコちゃんなんだね。
凄い可愛い名前だね」

「き、キラキラネームすぎて・・・私はあんまり・・・」

「そうなんだ。
ヒヨコってどう書くの?」

「雛と書いてヒヨコと読みます」

「ひなって呼ばれない?」

「呼ばれます」

「でも、凄い可愛い名前だねぇ」



天使雛(あまつかい・ひよこ)なんて。











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