グレープフルーツを食べなさい
「上村くん、どうして今さら三谷さんの肩を持つの? この前は私のこと庇ってくれたじゃない!」

 納得いかないといった顔で美奈子が言う。そんな美奈子に上村は侮蔑の笑みを投げた。

「肩を持つとかそんなくだらないことばっかり言ってるんじゃないよ。おまえら一体会社に何しに来てんの?」

 まさか上村にまでこんなことを言われるとは思ってなかったんだろう。美奈子の顔がカッと赤くなった。

「おまえらさ、本当にわかってる? あの人来月には外食部からいなくなるんだぜ。三谷さんいなくて、ホントにおまえらだけで仕事全部回していけんの?
今までおまえらがミスったりサボったりしてた分、全部カバーしてくれてた人がいなくなるんだぞ。ちょっと頭使えば、今やるべきことが何かぐらいわかるだろ!」


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