グレープフルーツを食べなさい
「……いえ。何だか美奈子、変わったなと思って」

「そうですか?」

「ずいぶん熱心じゃない。外食部でもみんなの中心に立って頑張ってるって聞いてるわよ」

「他に外食部回せるような人いませんからね。仕方なくです」

 ニコリともせずそう言う美奈子に、私はたくましさすら覚えてしまう。

 私の説明にも、美奈子は熱心にメモを取っていた。私が外食部にいた頃は、どんなに注意してもメモなんて取らなかったくせに、物凄い変化だ。

「ひょっとしてこの前も、何か質問しに来たの?」

 美奈子の様子を見て急にピンと来た。……それであの時私を探してたとか?

「ああ、三谷さんが岩井田さんに押し倒されてた時?」

「ちょ、ちょっと美奈子声が大きい……」

「あのさ」

 突然頭上から響いた低い声に振り向くと、私のすぐ後ろに上村が立っていた。


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