Wonderful DaysⅢ【berry’s cafeバージョン】
この男が振り向かなければ、あとちょっとだったのに……。
恨みがましく、一番最初に振り向いた男を睨みつければ
「あん? なんだよ、俺に一番最初の相手になってほしいって?」
にやりと口端を引き上げて、まったく違う意味に捉えられる。
「ご指名されたら、仕方ねぇよなぁ?」
仲間達を見回して、確認するように聞いた男に返ってきたのは
「はぁ? いつから指名制になったんだよ?」
「そうそう。目が合っただけで指名されたって……お前、どんだけ自意識過剰~」
「ぎゃははは」
小馬鹿にしたような笑いとイラつく声。
「……………………」
その様子を観察しながら、気づかれないように一つ息を吐く。
本音を言うならば、一人ずつ相手をしたかった。
そのほうが、楽だから。
でも、この状況ではそんな我侭も言ってられなくて。
諦めた私は、一番近くにいた男に向かってゆっくりと間合いを詰めた。