Wonderful DaysⅢ【berry’s cafeバージョン】
「……………………」
逃がすなんてヘマはしねぇけど。
サツがここに乗り込んで来るまで、足止めを食らった俺達。
部屋を見回してみれば、満身創痍でぶっ倒れている奴らを順に拘束している蓮が見えて。
取り敢えず俺も、落ちていた結束バンドで女の手足を拘束する。
運ばれたマリアちゃんのことも、気になるが……
容態が急変した彼女が言っていた言葉の中で、少し気がかりなことがあった。
もしかしてこの女なら、その原因を何か知っているんじゃないかと感じた俺は
「……で、テメェは、マリアちゃんになにをした?」
暁の正面でしゃがんで、顔を覗き込めば
「なにって……」
「あいつの容態が急変した理由を、何か知ってるんじゃねぇのか?って、葵は聞いてんだよ」
そこに男共を拘束し終えた蓮が、ゆっくりと歩いて会話に加わってくる。