Wonderful DaysⅢ【berry’s cafeバージョン】



「マーク?」


返事を促す修に


「わかった……」


諦めた兄さんが、小さく息を吐く。


「マリアの事は、修に任せる」


それを聞いたマリアは、信じられないものを見るかのように兄さんの顔を凝視していて。


「うん。これからは俺も、できるだけ家にいるようにするから」


「あぁ、頼む」


二人の遣り取りを聞きながらマリアの様子を窺っていれば、色をなくしていたその顔に、見る見るうちに赤みが戻ってくる。

そんなに、嬉しいのか。


「……………………」


魁の傍にいる事だけが、マリアの幸せ。

そう言った、つい先程の妹の顔が脳裏に浮かぶ。



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