Wonderful DaysⅢ【berry’s cafeバージョン】
「かっ、魁さん!?」
慌てる私を、さらに引き寄せて。
鍛え上げられた硬い胸に、顔が押し付けられる。
「あのっ……」
ふわりと漂ってくるお風呂上がりの匂いにクラクラしながら、なんとか頭を持ち上げて視線を向ければ
「イギリスに戻ってからも、酷い扱いを受けていたのか」
「……………………」
そこには端正な顔を歪めて、私を見下ろしている魁さんの顔。
「あの時、強引にでも連れ去っちまえばよかった……」
「え……?」
ぼそりと低く呟いた声には、後悔が滲んでいた。
「いつも、気になっていた。また、泣いているんじゃないかって……」
「魁さん……」
そんな魁さんに、あの時の判断は間違っていなかったんだと伝えようとしたのに
「大丈夫でしたよ? 私、あれから強くなったんですから!」
「……………………」
「マーク兄さんに習わされた護身術のおかげで、学校の生徒に危害を加えられてもやり返せるようになったし。さっきも言いましたけど、あの約束があったから泣かなくなったんです」
「────やっぱり、連れ去るべきだった……」
眉間の皺を深くさせて、低い溜め息を吐いた。