Wonderful DaysⅢ【berry’s cafeバージョン】
「……ど、」
どうして私を? そう口を開きかけたけれど。
今の自分の姿を思い出して、慌てて口を噤んだ。
ウィンザーの名前を知っていた田中さんには、私は英語しか喋れないことになっていたはず。
ならば、暁さんにも英語で話さなければいけないのではないだろうか……?
そんな考えが、ふと頭に浮かんだ。
「ねぇ、なんとか言ったら?」
私を逃すまいと、肩を強く掴んだままの暁さん。
その彼女に、なんて声をかければいいの?
「……………………」
驚きの連続で真っ白になった頭では、いくら考えても何も思い浮かんでこなくて……。
学校では見せたことのない鋭い視線を向けてくる暁さんを、ただ見つめ返すことしかできなかった。