氷と魔女《specialstory 完結》
《吟 side》

「くっそ…
なんだよ、あの女…」

イラつく。マジで。


「吟。そんなのでイラつかないの!」

「だってよ、夢奈。あいつ無表情で感情もわかんねえし、魔力はうやむやにして教えてくれねーし…
意味わかんねえよ…」

「えっと、吟だったか。
君、副大臣の息子だったのか。
どう接すれば……」

「ああ、そうゆうやつはなしでお願いな。
俺、親の地位での上下関係嫌いなんだ。

てか、千草?あいつ、大臣の子か?」

「それはないよー!
大臣に子供はいないからな!」


じゃあ、なんなんだよ…
掴みにくいしよお、むかつくけど俺より強いし…

ああ、むしゃくしゃする!


「吟。
そんなのでイラつかないでよ。
きっとあの子も良い子だよ?」

「どこがだよ!性格超悪いじゃん!俺のことを副大臣の息子としか思ってねえんだ、あいつ」


昔から、それだけで友達が作りにくかった。
だから、そうゆう上下関係が生まれないように政府のお偉いさんが多いこの高校に来たのに…

あいつ、見た目はすごい綺麗だ。
あんな綺麗な奴、見たことない。


銀髪に緑色の目が、なんか人とは違う異風な雰囲気を醸し出している。

けど、腹黒か?いや、黒さをもう全面的に出してるか…


それに…


あいつ、俺に『友達になる気はない』って言った時…


まるで、俺のことを敵のように睨んで行った…





あいつ、何者なんだ?

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