空色。
楽しかった過去。
「***。」
私の口から、掠れた声が出る。懐かしい響きだと思った。何度この文字列を打ち込んだことだろう。口に出すことはあまりなかったので、新鮮な気がする。
あれからもう2年経ってしまったのか。熱を帯びた頭でぼーっと考える。彼は今どうしているんだろう。私のことなんて、もう忘れているんだろうか。彼女とは上手くやっているのかな。高校生活は楽しいのかな。
泡のように浮かんでは消える。嫌な思いでいっぱいになってしまった頭をかきむしって、考えることをやめる。

今さらもう遅い、と自分に言い聞かせて。
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