空とマンホール

それを見ていると、手を引かれて汐野家の方へ進んでいった。

「哲?」

「母さんと父さんを返すって言われても」

「あ、あれは、その…」

「結の親でもあるだろ?」

そう言われて、違う意味で捉えて、頬が熱くなるのを感じた。

「だから母さん達に報告して公認してもらおう。そしたら堂々とお前の家に入り浸れる」

「え、え?」

「本当に…遠回りしすぎた」

溜息を吐いた哲は、気づいたように歩調を緩めてくれる。

あ、優しい。

「……そういえば、」

「うん?」

「なんでさっきあの先輩と居た?」

怪訝な顔をしている哲を説得するには、結構な時間がかかりそうだ。


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