忘れた
中1の頃はよく、瑠衣(るい)たちと部活帰りにファミレスで語ったな。


あの頃のあたしたちはまだ、友達だった。


「何その言い方。まじムカつくんですけど」


「最近あんた調子乗りすぎ」


「キモいんだよ」


「ついてくんなッ」


あたしはハッとして、後ろを振り返った。どこからか、甲高い笑い声も聞こえてくる。人をバカにしたような、蔑むような笑い…


キョロキョロと辺りを見回し、声の主を探す。


「お、おいッ、どうしたんだよ…」


勇介の声で、あたしは現実に引き戻された。気づけば頬に涙が伝っていた。


「め、目にゴミが入っただけ」


あたしは慌てて涙を拭う。だけど、溢れる涙はもう、止まらなかった。


周りの客からの視線を感じる。


勇介は気まずそうに、あたしを見つめていた。そんな目でこっちを見ないで。この場にいるのが辛い…


あたしは勢いよく立ち上がって、トイレに駆け込んだ。

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