忘れた

男たちの会合




帰り道。例によって、あたしは勇介の後ろだ。


今日はとても楽しかった。久しぶりにファミレスに行って、久しぶりに笑って。


初めて2人乗りして、初めて過去をさらけ出して。


家に引きこもっているのはやっぱり良くないよね。


かと言って、あの公園にはもう行きたくないし…


1人で悶々としていると、勇介が言った。


「そういえば、なんであんな時間に1人で公園にいたの?」


「それは、その…」


あたしは口ごもる。頭に浮かぶのは、健斗の顔。


「ちょっと家に居づらくて…」


「そっか」


勇介はそれ以上聞いてこなかった。


そして走ること数分。


あたしの家に到着した。2階建ての古い木造建築の、こじんまりした一軒家だ。

< 30 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop