忘れた
麗は先輩、舞花と里美は同学年の他クラスに、彼氏がいる。


時々ノロケ話をし出す3人を見ていると、彼氏っていいな、と思う。


でも、あたしは公園でのことがあってから、男の人が苦手だ。


この間男子たちに囲まれたとき、少し怖いと思ったし、連絡先を交換したのだって、舞花が勧めたからだった。


そういえば、勇介を怖いと思ったことはない。


勇介は恩人だし、優しいし、信じられる。だからだろうか。


「奈緒は? 今まで何人と付き合ったの?」


「え? あたし?」


あ、話題変わったんだ。ボーッとしてて聞いてなかった。


「あたしは彼氏出来たことないんだ。彼氏いない歴が年齢の人だから」


そう言うと、みんなは驚きを隠せない様子だ。


「じゃあ告られたことは?」


梨沙が訊く。


「うーん、そんなようなのは何回か。でもからかわれてるだけだと思って、無視しちゃった」

< 61 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop